マグロはえ縄漁業について知りたい

マグロはえ縄漁業は、江戸期の延享年間(1744~48)に房総半島の布良村(現・館山市)で始まった日本の伝統漁法です。
日本の刺身市場に輸出することを目的として、マグロはえ縄漁業はアジアの国を中心とする外国にも広がり、いまや国際漁業となっています。
マグロはえ縄漁は1日1回の操業です。年間250~270回くらい操業します。
年間の漁獲量は1隻あたり、およそ250~300トンくらいです。
はえ縄の針は「幹縄」と呼ばれる1本のロープに「枝縄」という餌のついた針につながるロープが何本もぶら下がっています。その間隔はおよそ50メートル。100メートルいって餌が2つしかないような密度です。しかも餌の深度にも広がりがあり、100メートルから350メートルくらいの間に設置されます。つまり実際に水中をいけば、なかなか餌を見つけられないくらいぱらぱらっとした分布となっています。
マグロはえ縄漁業のイメージ図

釣り針は、鉄に錆止めのメッキをかけた6cmもある大きなもので、餌は、冷凍のイカ、イワシ、サバ、サンマ、ムロアジなどを使いますので、幼魚は獲れません。
マグロ用の釣り針

船上で尾、鰓、内臓、鰭を取り除き、血抜きをして海水できれいに洗います。鮮度が落ちないよう素早く処理します。その後直ちにマイナス60度の急速冷凍室で魚体の芯まで完全に凍結させます。そして翌日、水を張った水槽に凍結したマグロを浸し、マグロの表面を氷の膜で被います。その後マイナス60度の魚倉に移し、水揚げするまで保管します。マイナス60度で保管されているマグロは、約2年間は生マグロと変わらない新鮮な状態を保つことができます。

船の大きさ、マグロの大きさによって違いますが、重さで約200~300トン、本数で3,000本近いマグロが入っています。